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第41話  現れしもの

last update publish date: 2026-08-23 21:00:36

石碑に刻まれた紋様が赤々と脈打ち始めた。

それは灯籠の火のような安定した光ではなく、生き物の鼓動のように強弱を繰り返しながら、闇を押し広げていく。

春香は胸を締めつけられるように感じ、思わず美奈の手を握った。

美奈も怯えながら、その温もりに縋る。

「……おかしい」

古沢住職の額に冷や汗が浮かぶ。

「印は本来、静かに封を保つものだ。こんな……呼応のような反応を示すはずがない……」

その言葉と同時に、石碑の周囲の空気がゆらぎ始めた。

冷気が渦巻き、土と落ち葉が小さな竜巻のように舞い上がる。

祐真が懐中電灯を向けた瞬間、彼の目に映ったのは──

石碑の前に、輪郭の定まらない“影”が立ち現れる姿だった。

それは人の形をしていた。

だが、顔は闇に溶け、手足はゆらゆらと煙のように崩れ
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